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ジョージ・バランシン

「バレエ・インペリアル」
振付:ジョージ・バランシン
音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
衣裳:宮本宣子/ロベルト・デヴァッレ
装置:野村真紀

 『バレエ・インペリアル』は、帝政時代のサンクト・ペテルブルグとそこでクラシック・バレエを開花させたプティパ、そしてチャイコフスキーへのオマージュとして創作された、その名のとおりロシア宮廷の香り漂う壮麗なバレエである。チャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第2番ト長調」が使用される本作は、3楽章からなり、主役の男女1組、女性1人と男性2人のソリストおよび群舞によって、古典全幕物さながらの規模で華やかな踊りが繰り広げられる。この作品はバランシンが自分のバレエ団を持たなかった1941年、アメリカン・バレエ・キャラバンの南米ツアーのために創作され、その後改訂を重ねていった。なかでも大きな変化は、初演時にあった主役男女のロマンティックな関係を物語るマイムが大幅な削除されたこと。この意味においては、古典バレエを敬愛していたバランシンが、古典バレエとは違って物語性を排除した純粋に音楽的な自らのスタイルを確立していった過渡期の傑作の一つといえる。クラシカルなパの規律が保ちながらも、豊かな音楽性とスピード感から生まれるエネルギーにあふれた作品である。