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東京バレエ団 シュツットガルト公演「ラ・バヤデール」 ~現地の公演評②

盛況のうちに幕をおろした東京バレエ団シュツットガルト公演『ラ・バヤデール』。
ドイツの4紙に掲載された公演評の抜粋、第二弾をおとどけします。ぜひご一読ください。



シュツットガルト新聞 Stuttgarter Zeitung   2017年4月10日付

大形式の筋立て

客演

まなざしが生と死を決定づける
東京バレエ団がシュツットガルトで『ラ・バヤデール』を踊る

アンドレア・カッヘルリース Andrea KachelrieB


 寺院の入り口には猛獣がうなり、堂々とした柱のある空間の照明が神秘的である。しかしながら、その空間でのダンサーたちのアンサンブルが素晴らしい。彼らは裏切りや妬みにも打ち勝つ永遠の愛のストーリーを語るが、たとえ舞台がなにもない空間であっても、その高度なテクニックとドラマチックさはより表現されるであろう。

 特に上野水香は、寺院の舞姫ニキヤを金曜日の初日を踊り、その繊細な雰囲気で魅了し、素晴らしいバランスで時間が止まったようであった。柄本は愛を誓った戦士ソロル役で、彼女を裏切る役だが、その体格とは違い、天の星を取ってあげるかのように、軽々とリフトしていた。

 心のこもった踊り、まなざしで生と死が決定されるようである。マリウス・プティパの少しオリエント趣味の古典振付によるナタリア・マカロワ版の演出を東京バレエ団は2015年6月よりレパートリーとしている(※注:正しくは2009年初演)。各シーンの細かい手の動きまで厳格に決め、ミンクスの音楽のスタッカートでの有名なバヤデールの行進は、万華鏡のように夜空が桜の花で覆われたようであった。


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photo:Ulrich Beuttenmueller





シュヴェービッシェス日刊紙 Schwabisches Tagblatt   2017年4月10日付   

東京からの客演
素晴らしい女性とその多くの影

シュツットガルトに東京からの客演:
瀕死の白鳥ではなく『ラ・バヤデール』の不滅の愛

ヴィルヘルム・トリーボルト


 シュツットガルト・バレエ団とそのオペラ座管弦楽団は、『ラ・バヤデール』をレパートリーに持っていないので、ロートリンゲンのヴュッテンベルク州フィルハーモニー管弦楽団が演奏し、その音楽にもブラヴォーが出ていた。第1幕からいわゆる"影の王国"の魔法のような幕まで、その演出に合わせた音楽づくりをし、特に24名の舞姫の精確なアラベスクを、『白鳥の湖』の群舞のように、"影の王国"のシーンで伴奏した。

 東京バレエ団は作品の最後まで精密に確信をもって公演した。そこには高いテクニックの水準があり、特に舞姫ニキヤを踊った上野水香の表現力が圧巻であった。シュツットガルトのレトロを愛する観客の歓声と拍手の嵐。


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photo:Ulrich Beuttenmueller