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振付家イリ・キリアン 「ドリーム・タイム」再演に寄せて

 現在、〈シルヴィ・ギエム ファイナル〉ツアー、および東京文化会館における〈ライフ・イン・プログレス〉で東京バレエ団が上演中の、イリ・キリアンの傑作「ドリーム・タイム」。15年ぶりとなる本作の再演に寄せて、キリアンが東京バレエ団にメッセージを寄せてくれました。本作のご鑑賞のよすがともなる、美しい作品についての、美しいメッセージです。ぜひご一読ください。


 
 今夜あなた方とともにいられないことをお許しください。でも、武満徹もあなたたちのそばにはいらっしゃいません。私がそちらに行けないのは飛行機に乗れないからで、そして、私の友人である武満徹がそばにいられないのは違う世界に飛び立っていったからです。彼はそこで自分の夢と音楽に囲まれて暮らしています。

「ドリーム・タイム」は私にとって特別な作品です。この振付に合わせて音楽も書かれました。人が夜眠っている間に夢うつつの世界を行き来している自分、また美しくも満たされない夢または悪夢の中に生きていかなくてはいけない自分を描いています。黄昏時が私の興味を駆り立てます。この昼と夜の間の不思議な魔法がかかったような空間にいることがあなたの心を占めている時は、それを感情に出すことを恐れないでください。

みなさん、がんばってください。

私もあなた方と一緒に夢を見ることにしましょう。


イリ・キリアン



ssKH3_5243.jpg          (左より)梅澤紘貴、吉岡美佳、木村和夫 photo:Kiyonori Hasegawa