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レポート2015/10/13

「白鳥の湖」キャラクターダンス振付指導者
 マルガリータ・ルアノ インタビュー

 2016年2月、東京バレエ団が新制作で上演する『白鳥の湖』が、動き始めている。8月上旬に行われたのは、第3幕のキャラクターダンスのリハーサル。モスクワから指導のために来日したマルガリータ・ルアノ氏に、話を聞いた。

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「東京バレエ団のダンサーたちは、この1週間で覚えるべきことをほぼすべて覚えてくれました。スペイン、ハンガリー、ナポリと、キャラクターダンスにはいろいろな踊りがあるけれど、もっとも重要な課題は、そのキャラクターの特徴的な踊り方、マナーを摑むこと。皆、いろいろと試み、努力しています」と語るルアノ氏。ソリストたちの稽古場を覗くと、肘の角度、重心の位置、踵の動きなど、キャラクターダンス独特のポジションが、ダンサーたちの大きな課題となっていた。

「リハーサルの途中ですから、踊りきれなくて当然です。しかし、例えば『パキータ』にはポーランドやスペインの要素が入っていますし、女性ダンサーの独特のポーズが印象的な『ライモンダ』も。キャラクターダンスの経験は、クラシックを踊る時にも必ず役立つはずです」

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 モスクワ音楽劇場でダンサーとして活躍、キャラクターダンスを中心に踊り、なかでも『白鳥の湖』のスペインの踊りで高い評価を得てきたルアノ氏。同劇場の『白鳥の湖』はもちろん、1953年に初演されたブルメイステルの版だ。

「モスクワで、スペイン人の両親のもとに生まれ、10歳でモスクワ舞踊学校に入学、卒業後はモスクワ音楽劇場バレエで長く踊ってきました。私が入団した時、すでにブルメイステルは亡くなっていましたが、彼と一緒に仕事をしていた人たちから直接学ぶことができました。スペイン、ハンガリー、マズルカ、3羽の白鳥......と、22年にわたって『白鳥の湖』のあらゆる役柄を踊っています。オデットは踊っていないけれど(笑)。

 ブルメイステル版は、数あるバージョンのなかでもっとも優れているものの一つ。ドラマトゥルギーの点で、非常に面白い作品となっています。なかでも第3幕はとても重要で、キャラクターダンスをいかに踊ることができるかが、全体を左右します」

 ブルメイステル版の第3幕では、次々と登場する各国の踊り手たちすべてが悪魔ロットバルトの手下。彼らの踊りは、ジークフリート王子を陥れるために仕組まれたもの、という設定だ。稽古場ではしばしば「王子に向けて踊って」との指示がとぶ。「惑わされる王子も、踊り手のほうへと寄っていったり、"あ、違った!"と戻ってきたりと、戸惑いを見せるんですよ」

 この公演は、8月に東京バレエ団芸術監督に就任した斎藤友佳理にとって最初の大プロジェクトでもある。

「彼女は、大好きなこの作品がずっと上演され続けることを強く望んでいます。その夢を叶えるために『ぜひ助けてほしい』と指導を請われた時、私は喜んでお受けしました。

 私たちがこの作品を愛してきたように、皆さんにもこの作品を愛してもらいたいのです。その愛は、東京バレエ団の皆さんがこの舞台を創り上げたその瞬間に生まれるもので、その愛があってこそ、作品はより長く生き続けることができるのです」

 

取材・文:加藤智子

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 撮影:細野晋司

レポート2015/10/07

「ドリームタイム」振付指導者エルケ・シェパース インタビュー

 8月上旬、東京バレエ団のスタジオでは、12月のシルヴィ・ギエム〈ライフ・イン・プログレス〉及びシルヴィ・ギエム ファイナルで上演予定のイリ・キリアン振付「ドリームタイム」のリハーサルが行われた。9日間にわたってリハーサルを指導したエルケ・シェパース氏に、東京バレエ団での指導やキリアン作品の魅力について話を聞いた。


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 「とても若いな、と思いました」と東京バレエ団の第一印象を語るシェパース氏。「でも、しばらくして気づいたわ。現役のダンサーって、こんなふうに若いものだったと!  同時に、自分の果たすべき責任を強く感じるのですが、皆、やる気、向上心、新しいものに対する好奇心が強く、とてもやりやすい。素晴らしいカンパニーですね」

 東京バレエ団での「ドリームタイム」初演は、2000年の〈オール・キリアン・プロ〉で、以来15年振りの上演となる。リハーサルに参加した十数人の選抜メンバーの中には、キリアン作品初挑戦のダンサーも。皆、それぞれの課題を抱えながら、キリアンの振付に意欲的に取り組んでいた。


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 「どこのカンパニーに行っても、皆、キリアンの踊りが好きだから、ダンサーたちがやる気を見せてくれるかどうかなんて心配は不要。その点で、私はとてもラッキーです。でも、デュエットでは多くのダンサーが苦労するわ。クラシックとは全く違ったパートナーリングの技術が必要なので、ここは、多くの時間を費やさなければ。大切なのは、動きの調和。もちろん音楽を聴くことも大切ですが、ダンサーには、互いの存在をよく"聴く"ことが求められます」

キリアン作品における男女のデュエットの素晴らしさは格別なもの。「ドリームタイム」では男女が二人、三人となって絡み、空気の流れに沿うような流麗な動きで、圧倒的な美しさを放つ。まさに"ドリームタイム"、夢の時だ。

 「ええ、夢のような場面の連続です。途切れ目のない、継ぎ目のない絵を次々と見せられるよう。明確な筋書きはないけれど、たとえば、どうしてもつきまとってくる過去の経験や記憶──。そういったものが、随所に表現されていきます。『ドリームタイム』における"夢"とは、必ずしも眠っている間に見る夢ではなく、白昼夢、人生観に結びついたものなのです」

 創作は1983年。キリアンは心から敬愛する作曲家、武満徹に音楽を委嘱、二人はインスピレーションを得るため、オーストラリア北部海岸のグレート島に、先住民族アボリジニの祭典を取材した。


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 「音楽、踊りにアボリジニの要素が具体的に反映されているわけではないけれど、アボリジニの思想から、作品の根底にあるもっとも重要なコンセプトを得ています。当時の武満は、まさに、夢について興味を抱いていた時期だったそうで、『ドリームタイム』はそこにジャストミートして生まれた、特別な作品なのです。

 80年代前半の、キリアンの比較的若い時代の作品の特徴としていえるのは、とても叙情的であるということ。かつ、とても音楽的。武満の音楽は、決して派手ではないけれど、とても印象深く、強く訴えかけてくるものがあり、素晴らしいコラボレーションとなっています」

取材・文:加藤智子

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撮影:長谷川清徳

レポート2015/07/15

「イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド」振付指導者 キャサリン・ベネッツ インタビュー

7月9日、10日の2日間、12月に全国各地で開催される<シルヴィ・ギエム・ファイナル>で上演するウィリアム・フォーサイス「イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド」のワークショップが行われました。ワークショップを指導したのはフォーサイス作品を世界各国のバレエ団で指導しているキャサリン・ベネッツさん。東京バレエ団のワークショップの感想をおうかがいしました。

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◆東京バレエ団について

日本のカンパニーを指導するのは初めてですが、この作品(「イン・ザ・ミドル~」)はユニヴァーサルなもの。必要なのはいいダンサーであるということだけです。東京バレエ団のダンサーは、鍛錬されており、ワークショップもとても頑張っていたと思います。今までやっていたのと全く違う、新しいことにチャレンジする機会を得たのは、ダンサーにとってとてもよいことです。皆さん集中して、ワークショップを楽しんでいたように思います。もちろんまだプロセスの段階ですが、2日目ですでに進歩がみられましたし、きっと良い仕上がりになるでしょう。そして、この作品を踊ることによって、自分の身体を意識するようになり、ダンサーとして進歩できるのではないでしょうか。

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◆「イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド」という作品について

この作品は純粋なダンス。コンテンポラリー作品というよりも、バレエにコネクト(連動)した作品。初めてフォーサイスに挑戦するにはよい作品だと思います。作品自体はパリ・オペラ座バレエ団の才能ある若いダンサーたちと創り出したもの(ギエム、イレール、ルグリほか)。極端なオフ・バランスなど身体の使い方にしても、彼らがどこまで出来るのか、フォーサイスがダンサーに対して挑戦した作品ともいえます。
何が可能なのか、ということを試して創作していきました。作品の中でも、ある種の競争というか、お互いに対して挑戦していくような、ダンサー同士がせめぎあっているような一面もあります。

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◆フォーサイス作品について

私も彼の作品を踊っていましたが、ダンサーを信じてくれるということを感じます。とてもエネルギーがあり、ダンサーをプッシュしていく人です。彼の作品を踊ることで、ダンサーたちは空間やこれまでのルールといったものを全く違うものと感じるようなります。また観客にもダンスの全く違う見方を提示していきます。作品の中で、同時に違うことが進行し、存在する・・・観客に広い視野を持たせたい、考えさせたいと彼は思っているのです。よくフォーサイスは自分の作品について、「これは何を意味しているんですか?」と聞かれると、「あなたにとって何を意味していますか?」と聞き返しているんですよ。

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撮影:細野晋司

レポート2015/06/25

【速報!】第29次海外ツアー ローザンヌ公演レポート(後編)


さて本番。主に東京バレエ団が参加した個所について触れると、第一楽章にベジャールが込めた「誕生の苦悩と喜び」を、柄本弾を先頭に、団員たちがこぶしを高く振り上げ力強く表現。「第九」というベートーヴェン晩年の最高傑作の導入部にインパクトを持たせることで、この作品がいかに大きなメッセージを携え、人類に熱い理念を訴えようとしているか、その先に続く膨大な交響曲への期待感を高めることに大きな役割を担っていた。

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静かな第三楽章は、白いレオタードとタイツに身を包んだ吉岡美佳とBBLのジュリアン・ファヴローのデュエットが会場を神秘的空間へと導いた。吉岡のしなやかな腕と指先が醸し出す優しい動きが、命の水をすくい、人を癒す。ジュリアンのたくましい身体が、吉岡を愛おしく包み、異なる世界の二人が溶け合い、限りなく純粋で清らかな愛へと昇華する様を表現していた。最終の第4楽章は「歓喜」がテーマだ。BBLのオスカー・シャコンが変容するリズムを通じて人類の複雑さ、葛藤、多様性を提示すると、それに続く柄本弾とBBLのジュリアンと大貫真幹の3人で成すソリスト集団が、祝祭的な音楽にあわせ、人間と宇宙、神の間に存在する秩序、その調和を高らかに表現した。フィナーレに近づくとBBLの女性ソリスト、アランナ・アーキバルトが持前の上背と大きな手の平を生かして人類の存在を再びアピールするが、生命の終焉を物語るかのように舞台中央に横たわる。そして80人の合唱が高らかに歌い上げるなか80人のダンサー全員が舞台に集結、東京バレエ団、BBL、ルードラ・ベジャールの生徒たちが手を取り合い、歩調をあわせ、一歩ずつ前に進む。それは、肉体は朽ちても精神は不滅であり、人類が抱き合い、助け合うというベートーヴェンの理念を文字通り体現していた。最後は、オーケストラ、合唱、ダンサーの総勢250人が一体となって盛り上げた舞台に、5000人の観客のエネルギーも加わり、会場全体が歓喜の渦に包まれた。

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満場の観客が一斉に立ち上がり、拍手とブラヴォーの嵐は長い間、鳴りやまなかった。
舞台間近の客席に座っていたジュネーブ在住のアンナ・ヴィラットさんは「ダンサーの一人ひとりの顔にも喜びが見てとれました。本当にダンサーと観客が心を通じ合わせた最高の舞台。これ以上のものってあるの?この先、何を観たらいいの、と思ってしまいます」と、目頭を熱くして語っていた。

取材/文:熊野舞(在仏ライター)

レポート2015/06/24

【速報!】第29次海外ツアー ローザンヌ公演レポート(前編)

スイス・ローザンヌの郊外、マレー・スケートリンクに設けられた5000人を収容する特設会場で6月17日に始まった東京バレエ団とベジャール・バレエ・ローザンヌ(BBL)共演によるモーリス・ベジャール振り付けの傑作、ベートーヴェン「第九交響曲」は全5公演が完売、連日とも大観衆の拍手と声援が鳴りやまないスタンディングオベーションの熱気の渦に包まれ21日、華やかに閉幕した。
ローザンヌ公演に来られなかったバレエファンのために、会場で販売されたプログラムから面白い数字を拾ってみよう。

50 ―― ベジャールが「第九」を発表したのは1964年。去年11月、東京バレエ団とBBLによる東京公演は、半世紀を経た50年目の節目にあたる。
3 ―― 共演の舞台が実現するまで3年の月日を要した。
15 ―― リハーサル期間は、海を隔てたヨーロッパと日本を行き来しながら15週間。
80 ―― 東京バレエ団とBBLのダンサーをあわせた人数。ルードラ・ベジャールの生徒もエキストラで加わった。
250 ―― 舞台上のダンサー、オーケストラ、合唱団をあわせると総勢250人。
289 ―― スケートリンクに設けられた特設舞台の総面積は289㎡。
25000 ―― 今回のローザンヌ公演を観た聴衆は2万5千人。

 この数字からも、すべてに大、大、大がつく規模で行われたことがおわかりいただけると思う。それだけに関係者たちが最高のものを作り上げようとする気概は随所にみられた。その一端を、4日目の公演前に見学したリハーサルから紹介しよう。

15-06.24_00.jpg 本公演は午後8時半から。それにあわせて午後1時から東京バレエ団のバレエレッスンが約2時間にわたって行われた。レッスンしたのは、「第九」の振付指導にあたったピョートル・ナルデリ氏自身。「モット アクセント」「ワカリマスカ」―― 親日家で、東京での準備にも足を運んでいるから団員との距離は近い。日本語を交えて熱心な指導ぶりだ。「東京バレエ団の団員たちは私の言うことを理解し敏感に反応してくれる。レッスンしていて楽しい」と、ナルデリ氏は話した。
 午後3時半からはBBLも参加しての合同リハーサル。会場に到着したジル・ロマンは柔らかい表情で団員たちと冗談を交わしていたが、いざリハーサルが始まると一変、表情が厳しくなった。躍動感にあふれる第二楽章では「リズムが甘い、音楽を無視している。ノン。ノン。ノン」。何度もダメだしが出て、同じ個所を、納得が行くまで繰り返し練習させる。吉岡美佳とジュリアン・ファヴローがデュエットを踊る第三楽章、二人が並列になって腕を交差させ横にステップを踏みながら円を描くシーンでは、二人がもっと一体化して滑らかな動きになるよう求めて、ジルも舞台に上がって直接指導していた。

15-06.24_01.jpg合同リハーサルの後、ジルに話を聞いた。

ベジャールの作品の中で、あなたは第九をどう位置づけますか?

―― 1968年のメキシコ五輪の開会式での上演を最後に、しばらくお蔵入りになった。というのも、上演するための準備にかなりの労力と時間が必要とされる重い作品だから、ベジャールは他の作品に専念するために、その決断をしたのだと思う。僕がベジャールのカンパニーに入ったのが69年だから、僕自身は踊る機会がなかった。でも、この作品は「踊るコンサート」。つまり、音楽が重要な役割を占めている。演奏家と同じで、あくまでも楽譜には忠実に、しかし現代の聴衆との距離を感じながら解釈し舞台をつくるのが僕たちの使命だと感じている。

 東京公演から半年たってのローザンヌでの公演。何か変化が起きていると感じますか?

―― ダンサーたちは毎回の公演を通じて着実に進化していると痛感する。特に今回は、NHKホールとは違って正面だけでなく、両脇の客席を加えた3面に囲まれた舞台。脇からも背中からも聴衆の視線を浴び、反応を全身で感じられる。東京バレエ団にとっては、その初体験が大きいと思う。さらに東京バレエ団とモーリス・ベジャールとの付き合いは30年にも及ぶ。長い間に培われた信頼関係、友情があるからこそ、ダンサーたちは安心して自分を解き放ち、ベジャール作品を通じて、自由に表現できるようになってきている。
 
団員たちの様子も少々、お伝えしたい。東京では連日「ラ・バヤデール」の公演があって、すぐの渡欧。リハーサルが終わって本番までの休憩時間、和やかに談笑していた女性団員たちは「時差ボケもあって、疲れが残っているというのが本音です。でも、お客さんたちの熱い声援と温かい反応に支えられて元気が湧いてきます」。共演舞台の「第九」はローザンヌ公演の後、モナコでも上演される。全行程3週間に及ぶ長期遠征になるが、ローザンヌ・バレエコンクールでのスカラシップ賞受賞後にモナコのプリンセス・グレースケリー・クラシックバレエ・アカデミーバレエスクールに留学した経験を持つ上野水香は、「ローザンヌからモナコという、偶然にも私にとってはノスタルジック・ツアー。楽しんでいます」と笑顔で話してくれた。

取材/文・撮影:熊野舞(在仏ライター)

レポート2015/06/18

【イベントレポート】第42回クラブ・アッサンブレ特別イベント「ラ・バヤデール」劇場クラス見学会レポート

6月13日(土)の『ラ・バヤデール』本番前に、東京バレエ団友の会「クラブ・アッサンブレ」会員限定の劇場クラス・レッスン見学会を開催いたしました。「クラス・レッスン」とは、ダンサーが毎日リハーサルや公演の前に行っているレッスンで、その日の身体の感覚やコンディションを確認しています。

約1年半ぶりのクラス見学会開催とあって、150名を超す会員の方々にご参加いただき、本番前から大ホールのロビーは賑やかに。参加者の中にはオペラグラスでダンサー達の動きを追っていらっしゃる方もいるほど、皆様最後まで熱心にレッスン風景をご見学されていました。

この後の本番では、主演の上野水香、柄本弾の熱演をはじめ、東京バレエ団が誇る「影の王国」の群舞など、観客の皆様からたくさんの拍手をいただき『ラ・バヤデール』は閉幕いたしました。
東京バレエ団友の会「クラブ・アッサンブレ」では、今回のクラス見学会のように会員の皆様に楽しんでいただけるイベントを企画・開催しています。その他、会員優先予約やチケットの会員割引などお得な会員特典もございます。東京バレエ団にご興味がある方、また一緒に応援してくださる方のご入会を、心よりお待ちしております!

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●「クラブ・アッサンブレ」のご入会はこちら>>>

レポート2015/06/06

「ラ・バヤデール」公開リハーサル&記者懇親会レポート

東京バレエ団は『ラ・バヤデール』の開幕を控えて、稽古も最終段階に突入。さる6月4日、公開リハーサル、および指導者のオルガ・エヴレイノフ、主演の上野水香、柄本弾を囲んでの記者懇親会が開催されました。

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1988年からマカロワ版『ラ・バヤデール』の指導を手がけているエヴレイノフは、東京バレエ団では2009年のバレエ団初演、2011年、2012年の再演、また、昨年8月の〈祝祭ガラ〉での"影の王国"抜粋上演時にも来日し、指導にあたってきました。懇親会の冒頭、マカロワ版の魅力について「魔法のクオリティをもっている。フレージング、ムーヴメントがとても優雅なのです」。この日の稽古場では、第2幕冒頭から作中屈指の名場面、"影の王国"をブラッシュアップ。「ドント・ストップ! 止まらないで!」と、ダンサー一人ひとりの動きに目を光らせる彼女の、張りのある、伸びやかな声が印象的でした。

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指導においてもっとも重要なことは、「ただステップを教えるのではなく、スタイルを発見していくこと、動きを理解していくこと、きちんとストーリーを理解し、踊りのなかでそれを演じきること、そのすべてを融合させ、一つのクオリティを生み出すことだと思っている」といいます。「たとえば"影の王国"で重要なのは、"ステップを踏む"のではなく、"ステップで踊る"ということです」

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2009年の東京バレエ団との出会いを、「素晴らしい経験」とも。「でも、2度目のこと──2011年の春のことを考えると、こみ上げてくるものがあります。東日本大震災の直後、それぞれの事情で来日できなくなったゲスト・ダンサーやスタッフがいました。当時、英国ロイヤル・バレエ団で仕事をしていた私は、悩んだ末に、芸術監督のモニカ・メイソンに相談したのです。彼女は"日本に行くべきだ"と言いました。"芸術、ダンスは皆の励みになるのだから"と」と、目を潤ませる場面も。

ニキヤ役の上野、また今回全幕では初のソロル役となる柄本については、「以前よりずっと成長している」と期待を寄せます。

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3度目のニキヤ役となる上野は、「ニキヤはとても強い女性で、内に秘めた情熱を持っている。回を重ねるごとに、もっと細かな心の動きが、少しずつ理解できるようになりました」。すると即座にエヴレイノフが「そのとおりよ! ピュアであることが、ニキヤを強くしているのです」。いっぽう柄本は「オルガ先生が指導されることを、できるだけ忠実に表現できるよう、日々練習しています」と謙虚にコメント。すると、「もっと上を狙って!」とエヴレイノフからすかさず激励がとび、スタジオでの日々の熱血稽古ぶりがうかがえました。

東京バレエ団の『ラ・バヤデール』を「パーフェクト!」と賞賛するエヴレイノフ。「最近上演される多くの『ラ・バヤデール』は、マカロワ版がベースとなっているといえます。マカロワ版の力強さを物語っていますね」と、作品の素晴らしさを力説しました。

その魅力を余すところなく伝える、充実の舞台にご期待ください。

photo:Shinji Hosono


「ラ・バヤデール」公式サイト>>>

公演情報2015/05/27

「ラ・バヤデール」ハイライト映像

「この写真(第2幕のデヴェロッペ・アラスゴンド)は、まさしく完璧さの手本です。世界各地で『ラ・バヤデール』の振付を指導するときには、在るべき理想の姿を体現するものとして、東京バレエ団のこの写真をダンサーに見せることにしています。これからも、どうか私達に規範を示し続けてください──ナタリア・マカロワ」

これは、振付・演出を手がけたナタリア・マカロワさんが、今回の「ラ・バヤデール」のプログラムのために寄せてくださったメッセージです。

20世紀を代表する名プリマのマカロワさんから"完璧さの手本"と称された東京バレエ団の一糸乱れぬコール・ド・バレエ、そして華やかなオーラを放つ大型ペア、上野水香と柄本弾が、昨年8月の創立50周年祝祭ガラでみせた名演をハイライト映像にまとめました。





めぐろバレエ祭り2015/05/22

【めぐろバレエ祭り】子どものためのバレエ 主演ダンサーインタビュー(2) 河谷まりあ/原田祥博

<めぐろバレエ祭り> 子どものためのバレエ主演ダンサーインタビュー第2回目は、子どものためのバレエ「ねむれる森の美女」に初主演する河谷まりあと原田祥博です。


子どものためのバレエ「ねむれる森の美女」[8/23(日)1:00p.m.]


河谷まりあ(オーロラ姫)

★IMG_4056.jpg◎オーロラ姫の役作りにあたって

オーロラ姫はおとぎ話に出てくる究極のお姫様。なので、ともに舞台にたつダンサーから客席の一番後ろのお客様まで、全員がひきこまれるような魅力をもった主人公を目指しています。同時に、体力的、肉体的にもハードな役なので、レッスンから意識を高めていくようにしています。やはり"姫"ですから、足の出し方など、基礎・基本を忠実に、ラインにもこだわって取り組んでいます。
 共演の原田さんはサポートが本当に上手な方なので安心して踊ることができます。私のその日のコンディションや条件を把握しながら、ベストが出せる方向を一緒に追及してくれる信頼できるパートナーで、本当に頼りにしています。

◎「ねむれる森の美女」のココを観てほしい!

"子どものための~"というコンセプトの作品なので、ストーリーの展開が早く、どんどんお話がすすんでいきます。芝居がメインとなる場面も多いので、お話にも入り込みやすいと思います、セットも絵本の中に入ったようなファンタジー性が高いものなので、是非作品全体を楽しんでいただきたいと思いますし、今年もたくさんの方に観ていただきたいです。

◎お客様へのメッセージ

今回の舞台は私たちをはじめ、初役に挑戦するダンサーがたくさんいますので、みんな試行錯誤しながら一丸となって舞台に取り組んでいます。なので、いつも東京バレエ団を観てくださっている方にも違う風を感じていただけると思います。
あとは、お話の中に入って「ねむれる森の美女」の世界を楽しんでいただけたら一番嬉しいです。


原田祥博(デジレ王子)

★IMG_3960-1.jpg◎デジレ王子の役作りについて

"子どものためのバレエ~"とはいえ、王子役なので全幕と同じように取り組んでいます。特に、「ダンスール・ノーブル」ということをお客様に感じていただけるように意識して役作りをしています。河谷さんとはこれまで青い鳥とフロリナとして組んでいるので、とてもリハーサルがしやすいです。

◎「ねむれる森の美女のココを観てほしい

全部を観てほしいです(笑)。表現、テクニックもそうですが、初めてご覧いただく方にもとても分かりやすい作品なので、感動してもらえるように精一杯踊ります。

◎お客様へのメッセージ

是非劇場に足をお運びください!小さなお子様からお母様、大人の方まで感動していただける舞台をお届けします!

めぐろバレエ祭り2015/05/18

【めぐろバレエ祭り】子どものためのバレエ 主演ダンサーインタビュー(1) 三雲友里加/岸本秀雄

東京バレエ団では、来る8月にめぐろパーシモンホールとの共催で<めぐろバレエ祭り>を開催いたします。
3回目の開催となる今年は、さらにパワーアップした企画が盛りだくさん!
お子さまから年配の方まで、男女問わずにご参加いただけるイベントを多数ご用意しております。

今年の<めぐろバレエ祭り>の中心となるのが東京バレエ団による、子どものためのバレエ2作品。
今年は例年ご好評をいただいている「ねむれる森の美女」に加えて、「ドン・キホーテの夢」が登場します。
これは、老騎士ドン・キホーテとお供のサンチョ・パンサの冒険譚にキトリとバジルの恋物語がからむ、楽しさ満載の「ドン・キホーテ」を、サンチョ・パンサを語り部として、子ども向けにアレンジした作品。
きっとお子様だけでなく大人の方にも楽しんでいただけるに違いありません。

これから4度にわけて、子どものためのバレエ「ねむれる森の美女」「ドン・キホーテの夢」に主演するダンサーのミニインタビューをお届けします。




子どものためのバレエ「ねむれる森の美女」[8/23(金)4:00p.m.]


三雲友里加(オーロラ姫)

Mikumo350×350.jpg◎オーロラ姫の役作りにあたって

「ねむれる森の美女」はバレエ団に入団してはじめて主役をいただいた作品で、2013年のギリシャ公演のときが私にとっての初演でした。今回王子を踊る岸本(秀雄)くんとははじめて組むのですが、相性が良く、とても踊りやすいのですごく助けられています。
これまでは踊りきることに必死でしたが、今回はもっと表現の部分にも気をつけて"オーロラ姫"という人物をお客様に感じていただけるよう、リハーサルに取り組んでいます。

◎「ねむれる森の美女」のココを観てほしい!

オーロラ姫を演じるにあたって、1幕と2幕で違った雰囲気が出せるように心がけています。1幕では若くて初々しいオーロラ姫、2幕では少し大人っぽく成長した姿を感じてもらえるようにと意識しています。オーロラ姫は100年間寝ているだけなんですが(笑)、やっと出会えた王子様と結ばれるので、そこの流れにも注目して観ていただきたいです。

◎お客様へのメッセージ

とにかく良い舞台をお見せできるよう頑張るのみです!今回はバレエをはじめてご覧になるお客様もたくさんいらっしゃると思いますので、少しでも多くの方にバレエの魅力を伝えられるよう全力で頑張ります!ぜひ劇場にいらしてください!


岸本秀雄(デジレ王子)

15-05.18Kishimoto300×300.jpg◎公演の意気込み

子どものための「ねむれる森の美女」は初主演となります。以前全幕を踊らせていただいたので、スムーズにリハーサルをこなせるようになりました。ですので、今回はもっと細かいところで役作りに取り組んでいきたいです。

◎「ねむれる森の美女」のココを観てほしい!

たとえば狩りのシーン(二幕の最初)では、王子が城の中のルールから解放される唯一の場。登場した瞬間は開放感でいっぱいですが、自分には恋人がいない寂しさを思い出しフッとむなしくなってしまう。そういった所の細かい表情ですね。色々な方々のお話もお聞きしながら、自分なりに役柄を掘り下げていき、ぜひそれを本番で出したいですね。

◎お客さんへのメッセージ

子ども向けということで、物語はとてもわかりやすくなっています。踊りでもきれいな足先や流れるような動き、迫力のある演技など、プロの技をぜひご覧ください!!


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